その中の一冊。
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ステンドグラス工房の朝
著者はステンドグラス作家の清水伯夫氏。
清水氏は学生時代の夏休みにヨーロッパに旅行した際訪れたシャルトル大聖堂で、初めて中世のステンドグラス郡を見て感動しステンドグラスの道を歩むようになった。
大学卒業後、1974年から1977年までパリのフランス国立工芸専門大学で勉強した、その時のエッセイ。
ふだん見聞きすることの少ない工芸大学のステンドグラス科の教室(しかもパリ)の様子など興味深い内容です。
後半にすこし技術的なことが書いてあります。
印象的な部分を抜粋。
「ダイアモンドカッターを使いこなすということは、自分の手になじませるというより、自分の方から道具、すなわちダイアモンドになり切っていくという感覚が必要となる」
「ダイアモンドカッターで実際にアンティークガラスを切っていると、中世のステンドグラス職人と同質の仕事をしていることになるので、ヨーロッパの小さな町の、古い時代の職人の喜びや苦労を時空を超えて身体で感じて、仕事の中に満足感に似たものが生まれてくる」
「さまざまな職人たちの美しい精神が、それぞれの形を持って作品のなかに埋め込まれて輝いている。
聖堂に輝く美しいステンドグラスの窓から、彼らの言いたかったことが、また彼らの素晴らしい技巧が、現代の私達に問いかけてくる。
その対話に正しく答えるためにも、私達はガラスを切る時には、偉大な先人達の気がまえや技に決して恥じることのないよう、精神を正しく保ち、技術を磨き続けていきたい」
「ガラスカットにおいて、精神をコントロールすることは重要な技術の一つで、実際にガラスがとんでもない割れ方ををするような時は、心が乱れている時が多い。
そんな時には、ガラスやガラス切りのせいにしないで、心を静かに洗うことの方を考えたほうがよい」
すごいですね。
技術と言うより精神論ですね。
アンティークガラスをカットしているときの気持ちよさがヒシヒシと伝わってきます。
私もすごいことに携わっているなと認識させられて、かなり感動しました。
本の表紙はフェルメールの「牛乳を注ぐ女」で、これがまたグッときます。
気になる方は読んでみてください。
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ステンドグラス工房の朝
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